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食中毒と感染性胃腸炎 |
■食中毒
有害・有毒な微生物や化学物質等毒素を含む飲食物を人が口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称である。
■感染性胃腸炎
細菌、ウイルス、原虫などの微生物の経口感染によって起こり、下痢や悪心・嘔吐、時に腹痛・発熱などの症状をきたす疾患群。
食中毒 |
■食中毒の分類
その原因となった原因による分類と発病様式による分類がある。
1)因子・物質による分類
食中毒は、その原因になった因子・物質によって次の5つに分類される。
①細菌性食中毒、②ウイルス性食中毒、③化学性食中毒、④自然毒食中毒、⑤その他
①細菌性食中毒
毒素型:細菌産生毒素の生理活性による食中毒。食品摂取時点で細菌類が不活化していても発症するため、細菌自体には抗生物質は無効。ただし、毒素が熱分解に弱い場合には、加熱により不活化する。
黄色ブドウ球菌 ボツリヌス菌 セレウス菌
感染症型:感染により体内増殖した細菌が病原性をもつことにより発症する。
サルモネラ菌 腸炎ビブリオ 腸管出血性大腸炎(O-157) カンピロバクター ウェエルシュ菌
②ウイルス性食中毒
ノロウイルス ロタウイルス A型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス など
*ウイルスには抗生剤は効かない。
③化学性食中毒
鮮度の落ちた魚、チーズ、発酵食品、腐敗した食品 など
④自然毒性食中毒
植物性自然毒
高等植物
チョウセンアサガオ、バイケイソウ類、トリカブト類、ジャガイモ、ヤマゴボウ類 など
菌類(毒キノコ)
動物性自然毒
魚類(フグ)、貝類(貝毒) など
⑤その他
寄生虫・原虫
ジストマ、有鉤嚢虫、無鉤条虫、粘液胞子虫、住肉胞子虫、アニサキス、クリプトスポリジウム など
カビ毒
マイコトキシン:アフラトキシン、オクラトキシン、パツリン など
2)発症様式による分類
①毒素型食中毒:原因物質が毒物として作用。
②感染型食中毒:病原体への感染による作用。
③中間型食中毒:細菌性食中毒では病原体が消化管内で増殖する際に初めて毒素を生成するものがあり、生体内毒素型食中毒と呼ばれるが、これは感染型と毒素型の中間に位置する。
感染性胃腸炎 |