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糖尿病の合併症とは |
糖尿病の合併症(※)にはインスリンの作用不足による起こる急性合併症と長年の高血糖の持続により起こる慢性合併症があります。
■急性合併症
高度のインスリン作用不足により急激な血糖値の上昇(高血糖)やケトン体の産生による発生する糖尿病ケトアシドーシスや高血糖による浸透圧症候群などがあります。これらの合併症では適切な治療がなされないと命に係わってきます。また、糖尿病患者は感染症にかかり易く、足の感染症は壊疽の原因にもなります。詳しくは別のところで説明します。
■慢性合併症
糖尿病になると血糖値が高い(高血糖)長く(慢性)続きます。これによりさまざまな合併症(慢性合併症)が生じます。この慢性合併症は糖尿病患者さんの生活の質(QOL)を低下させ、寿命を短くします。糖尿病があり適切な治療を受けない(しない)でいると男性で約10年、女性で約13年寿命が短くなるとの報告もありあます。
糖尿病の慢性合併症 |
慢性の高血糖は全身の様々な血管を障害し機能障害をもたらします。特に障害を現れやすい部位や臓器があります。
■細小血管症
他の疾患には見られない糖尿病特有の合併症です。神経、網膜、腎臓の細い血管(細小血管)が障害を受け神経障害、網膜症、腎症(3大合併症)をきたし、著しく生活の質(QOL)が低下します。予防・進展防止のためには血糖コントロールが基本で、HbA1cを7未満に保つ必要があります。
■大血管症
糖尿病特有の合併症ではありません。より大きな(太い)血管(大血管)が障害され動脈硬化が発症・進展します。その結果、脳梗塞・心筋梗塞を発症し生命予後を悪化させ寿命を縮めます。この動脈硬化は糖尿病になる手前の予備群から既に始まっています。早期発見と好ましくない生活習慣の改善が必要です。
■足病変
神経障害と動脈硬化による血流障害により、下肢末端に感染や潰瘍、壊死、壊疽が生じます。
■その他
認知症、白内障、歯周病、骨粗鬆症などが発生しやすくなります。
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