>医療法人 啓眞会 くにちか内科クリニック

スマホ用QRコード

AGEsを増やさない食べ物・食べ方

2014年10月



あなたの身体のAGEs度チェック
□ 野菜、きのこ、海藻をあまり食べない

□ 早食い、または大食い

□ パンや麺類をよく食べる

□ 清涼飲料をよく飲む

□ スイーツが大好き

□ ファストフードをよく食べる

□ 水餃子より焼き餃子が好き

□ フライや天ぷらなどの揚げ物が好き

□ 電子レンジをよく使う

□ インスタント食品をよく食べる

□ 運動は嫌い

□ タバコを吸っている/過去に吸っていた



判定

☑の数:8以上:きわめて危ない 5~7:リスク高い 3~4:リスク中程度 2以下:リスク低い

AGEsとは(前回までのまとめ)

  • AGEs(Advanced Glycation End Products)とは「終末糖化産物」のこと。タンパク質と糖が結びつく糖化によりできる、元に戻ることのない最終的な生成物。その反応は加熱により促進される。
  • AGEsはタンパク質を変性・劣化させ本来の働きを阻害する。
  • AGEsは老化と密接に関わっている。
  • AGEsは糖尿病の合併症の原因の一つ。その量は「血糖値×時間」で決まる。
  • 骨粗鬆症、動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)、がん、白内障、アルツハイマー病(認知症)などの多くの病気の原因となる。
  • 食品では「こんがりキツネ色」の揚げ物や「おこげ」に多く含まれている























AGEsが体内に溜まる仕組み

 AGEsは前回で説明いたしましたように、糖尿病などで血糖値が高い状態が長く続くと体内に蓄積していきます。それ以外に、「食べもの」に含まれるAGEsの10%は吸収され、7%が体内に蓄積していくとされています。



<AGEsが体内溜まる仕組み>

 ①体内で作られる

 ②食べ物から取り込まれる

AGEsを増やさない「食べ物・食べ方」

 では、どうすれば食べ物によるAGEsの脅威から私たちの体を守ることができるのでしょうか? 日本におけるAGEs研究の第一人者、久留米大学医学部教授の山岸昌一氏が勧める「AGEsを増やさない食べ物・食べ方」を紹介します。簡単にいうと次のようになります。

  • AGEs含有の少ない食品を食べる。
  • 食後急激に血糖値を上げない食べ方をする。
  • なるべく低温で調理する。

 次に、具体的な方法を説明したいと思います。

血糖値を上げない「低GI」の食品を食べる

 GIとはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、その食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇する程度を計ったものです。食品の炭水化物50gを摂取した時の血糖値の上昇の程度を、ブドウ糖を100とした場合の相対値であらわした指数です。この数字が高いほど血糖値が上昇しやすい食品ということになります。

 一般的には消化しやすいものや精白度の高い食品はGI値が高く、消化しにくい繊維質のものは低くなります。穀類でいうとGI値が高いのは、精白度の高い食パン、精白米、うどんなどです。反対に低いのが、胚芽米、玄米、全粒パンなどです(詳しくは別表を参照してください)。

 ただし、GI値にこだわって食品を選ぶと栄養が偏る恐れがあります。あくまで参考程度にしてください。

参考:GI値の高い食品・低い食品.pdf

野菜から食べる

 食べる順番も大切です。食物繊維を豊富に含む野菜からまず先に食べます。

 なぜ食物繊維を先に食べるとよいのでしょうか?食物繊維は食べ物の消化と吸収を遅らせてくれます。その結果、食後の急激な血糖値の上昇が防げます。その結果、メイラード反応も起こりにくくAGEsが出来るのを防いでくれます。

 
 また、野菜を先に食べることでお腹が一杯になり、その後の食べる量が減ります。すなわち、ダイエットにも有効です。

 野菜は加熱した方がたくさん食べることができます。しかし、AGEsの観点からはなるべくで食べた方がよい様です。

 まず、生野菜のサラダなどから食べます。その後、酢もの、汁もの、肉や魚、大豆などタンパク質を多く含む食品。最後にご飯やパン・パスタなどの炭水化物を食べます。

味付けは酢やみりんを使う

 料理は薄味で。濃い味付けは塩分だけでなく糖分も多くなりAGEsの面から避けたいものです。

 酢には腸の動きをゆっくりにし糖分の吸収を遅らせる効果があります。その結果、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。甘味を付ける時は砂糖ではなく、みりんの方がAGEsは増えません。

 油も酢と同様に食べ物の腸への移動を遅らせ、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。ただし、たくさん使うとカロリーオーバーになるため適量に止めましょう。

ファストフードを避ける

 ファストフード(fast food)とは短時間で調理された手軽な食事のことです。すなわち、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキン、フライドポテトなどに代表される食品です。

 これらを扱う店では短時間により多くのお客さんに対応するため高温で加熱する揚げ物が多用します。さらに、揚げる温度は家庭よりも高温です。そのため、茹でたジャガイモと比べたフライドポテトのAGEs量は家庭のものは40倍ですが、ファストフード店では90もあります。

 また、ファストフード店では使い古した油(酸化された油)を使っていることが多く注意が必要です。ハンバーガー、フライドポテト、清涼飲料の3点セット。どれもこれもAGEsリッチな代表選手で、最悪の組み合わせと言えるでしょう。

ゆっくり食べる

 「早食いは肥満のもと」と言われます。早食いをすると脳の満腹中枢が満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまうので太ってしまいます。

 また、早食いだと糖質が一気に消化吸収され血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が跳ね上がってしまいます。さらに、上がった血糖値を抑えるためインスリンが大量に分泌されます。インスリンはブドウ糖を脂肪として貯える働きもあります。

 食後の血糖値を急激に高める食べ方をすると体内でAGE化が促進します。肥満防止、AGE化防止のためには早食いは止め、「ゆっくり食べる」ようにしましょう。

人工甘味料の「果糖」入りの飲料水に注意

 清涼飲料には注意が必要です。成分表示に「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液」と表示のある清涼飲料が大半です。

これはトウモロコシなどを原料にして人工的に作られた異性化糖で砂糖より安く作ることができ、私たちの周りに大量に出回っています。

 果糖は変性しにくく保存しやすいという特徴もあります。しかし、果糖はブドウ糖と比べるとAGEsをつくる速度が10倍以上です。

 果糖の甘味は砂糖(ブドウ糖+果糖)の1.2~1.7倍です。依存性が高く「飲めば飲むほど欲しくなる」ので注意が必要です。AGEsが気になる方は清涼飲料だけでなく加工食品を選ぶ時も成分表示で確認してみてください。

(院長の独り言:第3号「果物は太りやすい」 参照) 

高温で揚げたり焼いたりしたものに注意

 同じ食材でも調理法によりAGEs量は異なります。たとえば鶏肉の場合、AGEs量は焼き鳥では水炊きの6倍、唐揚げだと10倍多くなります。

 水を使っての煮炊きでは100℃以上の加熱温度にはなりません。一方、焼く、油を使って高温で揚げる調理法はこれより高温(150~200℃)になりAGEs量が多くなります。

 唐揚げ、豚カツ、コロッケなどキツネ色の揚げ物。焼き魚、ステーキ、焼き肉などの焦げ目にもAGEsは多く含まれています。

 AGEsを溜めない調理法は「生」で食べられるものは生で食べ、調理するなら水を使って「蒸す」「茹でる」「煮る」などがお勧めです。

 すなわち、AGEs増やす調理法は次の順番になります。

 生 → 蒸す → 茹でる・煮る → 炒める → 焼く → 揚げる

 

参考調理法によるAGEsの違い.pdf

電子レンジを使った料理、温め直しに注意

 AGEsはタンパク質と糖を高温で加熱調理した時にできるメイラード反応を起こした時にできる部分に多く含まれています。すなわち、焼いたり揚げたりして「こんがりキツネ色」になった部分や「焦げ目」がついた部分に多く含まれています。 

 では、電子レンジで加熱した食品は焦げ目や焼き色がつかないから大丈夫でしょうか?いいえ、そのようなことはありません。

 電子レンジで温めた食品は茹でた食品と比べてAGEsが多いことが分かっています。電子レンジはマイクロ波で食品の分子を振動させ高温状態にします。焼き色は付きませんが、高温で加熱した調理と同じことです。メイラード反応の様に色は着きませんが、糖化を引き起こしAGEsが出来てしまいます。

 また、食品に含まれているコレステロールも加熱により酸化し劣化コレステロールを作ります。劣化コレステロールは血管壁に侵入して動脈硬化を引き起こします。

 したがって、電子レンジによる長時間の加熱温め直しはなるべく避けた方が無難です。

 

AGEsを増やさない生活習慣

 食べ物や食べ方以外にもAGEsを増やさない方法があります。

タバコを吸わない

 喫煙者は食生活に関係なく体のAGE化が進みます。「たばこ」」はもともと緑色のタバコの葉を高熱で加工して作られます。熱によるメイラード反応で葉は褐色になると同時に糖化され多量のAGEsを含む様になります。したがって、喫煙本数が多く喫煙歴が長いほどAGEsは体に溜まっていきます。 

 また、タバコの煙にはAGEs以外にもニコチン、一酸化炭素、タールなどの有害物質を含み、動脈硬化の促進、発がん性など様々な弊害をきたします。

食後に運動をする

 「食後に運動をする」と血糖値の上昇を抑えることができます。食後の高血糖を抑えることは糖尿病治療の基本中の基本です。この効果は抜群です。また、それはAGEs産生を抑えることに繋がります。

 しかし、何かと忙しい現代。ましてや、仕事を持つ人が「食後に運動をする」ことなど不可能に近いかと思います。幸いなことに、この運動効果は食後でなくても「いつでも」それなりの効果があります。運動をすることでインスリンの効き方がよくなり、血糖値を上げない体質ができる訳です。

 また、以前は「運動」は20~30分まとめてしなければ効果はないと言われていました。しかし、最近は5分位の細切れの運動、いわゆる「ちょこまか運動」でも効果があることが分かってきました。

 

まとめ

 体に溜まったAGEsは糖尿病の合併症の原因となるだけでなく、骨粗鬆症、動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)、がん、白内障、アルツハイマー病(認知症)などの多くの病気の原因となります。

 食品に含まれるAGEsは吸収され7%は体内に蓄積されます。したがって、AGEsを多く含む食品を食べ過ぎないよう注意が必要です。ファストフード3点セットはAGEsの面からも最悪の組み合わせです。

 焼いたり揚げたりしてできた「こんがりキツネ色」や「オコゲ」に注意してください。なるべく「低温で調理」し、生で食べられるものは「生」で食べる。「食べる順番」を考える。「ゆっくり食べる」。これらに注意するだけでも体内に取り込まれるAGEs量を大幅に抑えることができます。

 また、「タバコを吸わない」ことや「運動をする」などの生活習慣も大切です。

 目次 戻る 次へ