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群発頭痛 |
20~30代の男性に多く(男性:女性=5~7:1)発症する頭痛です。特徴として、一定期間中、毎日のように起こる(群発)する激しい頭痛が15分~3時間持続します。痛みは睡眠中、特に明け方に目の奥をえぐる様な激しい痛みで目が醒めることが多く、あまりの激しさに患者さんはじっとしていられず「落ち着きのない、興奮した」状態となります。痛みのある側(患側)の目が真っ赤に充血したり、涙がポロポロと出る、瞳孔が小さくなる、鼻水・鼻閉、顔面やおでこの発汗、眼瞼浮腫がでます。飲酒、血管拡張物質(ニトログリセリンなど)で容易に誘発されます。
片頭痛 | 緊張型頭痛 | 群発頭痛 | |
---|---|---|---|
患者背景 | 若年、女性>男性 | さまざま | 20~40歳代、男性>女性 |
発症様式 | 緩徐~急性 (予兆・前兆を伴う場合) | 緩徐 | 突然~急性 |
持続時間 | 4~72時間 | さまざま | 15~180分持続(間欠期症状なし) ある時期ほぼ毎日起こる |
部位 | 片側性>両側 | 両側性 | 片側・目の奥 |
性状 | 拍動性、中等度~重度 | 非拍動性、軽度~中等度 | 激痛 |
静かにじっとしていたい | 重だるい、締め付けられる | 痛くてじっとしていられない | |
日常生活で増悪 | 日常生活で増悪なし | ||
睡眠中の発症 | なし | なし | あり |
随伴症状 | 嘔気、嘔吐 差明、音恐怖 | なし | 自律神経症状 結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏、眼瞼浮腫、前額・顔面の腫脹、縮瞳、眼瞼下垂 |
■群発頭痛セルフチェック
あなたは群発頭痛持ち?
□頭痛は15分~3時間持続する(薬を服用しない場合)
□片側の眼がえぐられるような激しい痛み
□動いても楽にならないが、痛みが強すぎてじっとしていられない
□アルコールを少し摂取するだけで頭痛が始まる
□頭痛は1年のうち決まった期間だけに起こり、一度頭痛が消えると全く痛みはない
□痛みは必ず同じ片側だけに起こる
□頭痛と同じ側にだけ涙、鼻水、鼻閉が起こる
□明け方の激痛で覚醒する(起床時に頭痛があるのとは訳がちがう)
□あなたが女性なら吐き気があり、男性なら吐き気は気にならない
上記の「3つ以上が当てはまれば、あなたは群発頭痛の可能性が高いと言えます。
(丹波潔、武藤芳照 頭痛外来ガイド 新興医学出版社 2022年1月5日より)
ご自分が群発頭痛だと思われる方。
下記より群発頭痛セルフチェックがダウンロードできます。
受診を希望される方は必要事項をご記入の上、受診時にお持ちください。
念のため片頭痛と緊張型頭痛のセルフチェックもご参照ください。
☛ 片頭痛問診票
☛ 緊張型頭痛問診票
■診断基準(日本頭痛学会診断基準)
1.群発頭痛
A. B~Dを満たす発作が5回以上ある
B.(未治療の場合に)重度~きわめて重度の一側のみの痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に15~180分間持続する
C.以下の1項目以上を認める
①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D.発作の頻度は1回/2日~8回/日である
E.ほかに最適なJCHD-3の診断がない
1.1反復性群発頭痛
A.1「群発頭痛」の診断基準を満たす発作があり、発作期(群発期)が認められる
B.(未治療の場合に)7日~1年間続く群発期が3カ月以上の緩解期をはさんで2回以上ある
1.2慢性群発頭痛
A.1「群発頭痛」の診断基準を満たす発作があり、Bを満たす
B.1年間以上発作が起こっており、緩解期がないか、または緩解期があっても3カ月未満である
2.発作性片側頭痛
A. B~Eを満たす発作が20回以上ある
B.重度の一側性の痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に20~30分間持続する
C.以下のいずれか、もしくは両方
①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D.発作の頻度は5回/日を超える
E.発作は治療量のインドメタシンに絶対的な効果を示す
F.ほかに最適なJCHD-3の診断がない
3.短時間持続片側神経痛様頭痛発作
A. B~Eを満たす発作が20回以上ある
B.中等度~重度の一側性の頭痛が眼窩部、眼窩上部または側頭部またはその他の三叉神経支配領域に、単発性あるいは多発性ん刺激、鋸歯状パターン(saw-tooth patten)として1~600秒間持続する
C.頭痛と同側に少なくとも以下の5つの頭部自律神経症状あるいは徴候の1項目を伴う
D.発作の頻度は1日に1回以上である
E.ほかに最適なJCHD-3の診断がない
4.持続性片側頭痛
A. B~Dを満たす一側性の頭痛がある
B.3カ月を超えて存在し、中等度~重度の強さの増悪を伴う
C.頭痛と同側に少なくとも以下の5つの頭部自律神経症状あるいは徴候の1項目を伴う
①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D.治療量のインドメタシンに絶対的な効果を示す「
E.ほかに最適なJCHD-3の診断がない
5.三叉神経・自律神経性頭痛の疑い
A. 1「群発頭痛」の診断基準A~D,”「発作性片側頭痛」の診断基準A~E、3「短時間持続性片側神経痛様頭痛発作」の診断基準A~D、4「持続性片側頭痛の診断基準A~Dの1つをを満たさない頭痛発作がある
B.ICHD-3のほかのいずれの頭痛性疾患の診断基準を満たさない
C.ほかに最適なJCHD-3の診断がない