■AEDとは

 Automated External Defibrillatorの頭文字をとった(AED)もので、日本語訳は自動体外式除細動器といいます。小型の器械で、体外(裸の胸の上)に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動という不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること(電気ショック)で、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。

 

 器械の電源を入れれば音声が使い方を順に指示してくれるので、誰でもこの器械を使って救命活動を行うことができます。

 

  当クリニックは日本光電社製のAEDを設置しています。

 

■心室細動とは

  人が倒れて意識を失った場合、心臓が心室細動という不整脈を起こしている可能性があります。心臓を動かしている電気系統(心臓の筋肉の一部から発信された微量の電気が伝わるしくみ)が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな収縮が行えなくなります(不整脈)。その不整脈の中でも、とくに心臓の血液を全身に送り出す場所(心室)がブルブル震えて(細動)、血液を送り出せなくなった状態(心停止状態)を心室細動とよびます。
 
 この心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など重要な臓器にも血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう、とても危険な状態です。心臓が原因の突然死の多くは、この心室細動を起こしています。
 
 

 

■無脈性心室頻拍

 心室細動同様に致死性の不整脈の一種で、心室の筋肉が非常に早いリズムで心臓を収縮させます。一分間に100回以上の拍動を3連続以上繰り返す場合を心室頻拍と呼びます。この発作がおこると、心臓はポンプとしての機能を十分に果たせなくなり、より重症な症状を引き起こします。

 

 AEDは心室細動以外にも、心室頻拍で脈を触れなう場合(無脈性心室頻拍)の場合は電気ショックが必要だと判断し、充電をします。それ以外の正常な心電図や完全に心臓の動きが止まっている心静止の場合には充電をしない仕組みになっています。

 

■AEDは一般市民の方でも使用できます

 2004年7月(平成16年7月)の厚生労働省より、非医療従事者である一般市民が救命の現場でAEDを使用することは医師法第17条には違反しないとの通知より、一般市民の方も使用できるようになりました。その結果、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に多くの施設・場所に設置されるようになってきました。

 

 そして、救命の現場に居合わせた一般市民が救命のためにやむを得ず行った場合には、その結果に対して医師法上、民事上、刑事上、責任は問われないことになっています。

 

 AEDは音声ガイドに従うことで簡単に使用することはできますが、心肺蘇生を含めた講習会を受講されることをおすすめします。

 

 

 

【リンク】

 ☞ 日本心臓財団

 日本光電、AED