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受動喫煙が原因となり発症する肺がんや心筋梗塞により年間約6,800人が死亡していると推計をされる。こんな研究が厚生労働省研究班の国立がん研究センターから発表されました(2010年10月)。
「今後のたばこ対策の推進に関する研究」では、喫煙との因果関係があきらかな肺がんと心筋梗塞にしぼって実施(*)。国内外の研究や統計にもとづき算定。日本の女性の肺がん死亡の8.1%、心筋梗塞の9.1%、男性の肺がんの1.3%、心筋梗塞の3.7%が受動喫煙によるものと推計されました。
これを人口統計の死亡数にあてはめると、女性4,582人(うち職場1,811人)、男性2,221人(うち職場1,814人)が受動喫煙による肺がんと心筋梗塞で死亡していることになります。すなわち、受動喫煙をなくすことにより少なくとも年間6,800人の命を救うことが出来ることになります。
主任研究者の望月友美子・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは「たばこが健康に及ぼす害はあきらか。たばこを吸わない非喫煙者でも、たばこを吸う人の周囲にいれば、喫煙者がはき出した煙や副流煙にさらされる受動喫煙によって健康への悪影響を受けることになる。公共の場や施設での受動喫煙防止対策が進められているが、全面禁煙を法制化するなど徹底することで多くの人を救える」とコメントしています。
*)この研究では受動喫煙による全死亡ではなく、受動喫煙との因果関係があきらかな肺がんと心筋梗塞に絞っての研究です。したがって、受動喫煙全体では、さらに多くの死亡者(犠牲者)がでると推定されます。WHOの研究によると全世界では全死亡の約1%が受動喫煙によると推定されています。これに従うと、日本では受動喫煙により年1万2千人が犠牲になっていることになります。
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