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良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは |
良性発作性頭位めまい症(Begnin parxysamal postial vertigo、BPPV)とは、その名前の通り突然(発作性)、頭の位置を変えた時(頭位)に起こるめまいのことです。生命の危険がなく、後遺症も残らず、治療をしなくても自然と軽快することも多く(良性)、ぐるぐるまわるような(回転性)めまいの原因として一番多いとされています。
めまいが起こる頭の位置は人それぞれです。臥位になる時や臥位から起き上がる時、寝返りを打つ時、上の物を取ろうとしたり、うがいや目薬をさそうと上を向いた時、靴紐を結ぼうとしたりシャンプーや料理をしようとして下を向いた時など、頭位変換時に若干の時間を経た後(潜時後、多くは数秒後)に起こります。
1回の発作の持続時間は数秒から1分以内(多くは20~30秒)の短時間でメニエール病や前庭神経炎のように持続することはありません。ただし、再び頭を動かすとめまい発作を繰り返します。そのため患者さんはめまい発作が数日~数週続いているを勘違いすることがあるため注意深い病歴聴取が必要です。
吐き気や嘔吐を伴うこともありますが、メニエール病の様に耳鳴りや難聴などの蝸牛症状は伴いません。また、麻痺などの神経症状は随伴することはありません。
眼振(nyatamus)といって、めまいが起きている時に眼が揺れる状態が観察されます。しかし、めまい発作を起こしていない時は眼振はありません(自発眼振なし)。また、同じ姿勢や動作を繰り返すと眼振が起こりにくくなる「疲労現象」があり注意が必要です。このような場合、ディックス-ポールパイク試験で眼振を誘発できます。
原則として頭痛はありませんが、片頭痛持ちの人はそうでない人よりも良性発作性頭位めまい症を発症する頻度が多いことが分かっています(片頭痛による回転性めまい:前庭型片頭痛)。しかし、BPPVでも頭痛や吐き気が強くでる場合もあります。そのような場合は「危険なめまい」との鑑別診断のため画像診断が欠かせません。CTでは小脳の病変はわかりづらいことがあるので、MRIによる確認が必要です。
■頭位変換時に増悪するめまい
■診断
良性発作性頭位めまい症の発生機序 |
BPPVはもともと卵形嚢に存在する耳石の一部が剥がれ落ちた耳石が三半規管のどれかに迷入するが原因と考えられています。三半規管の解剖学的位置関係で前半器官に迷入することは稀で、ほとんどは後半器官か外側半規管に迷入します。頭を寝た状態(仰臥位)にするとそのまま後半器官や外側半規管に入り込みやすくなることから理解可能です。
半規管内に迷入した耳石が頭位の変換により重力に従って移動すると異常リンパ流動が生じてめまいが起こります。耳石が半規管の一番下までたどり着けばめまいは治まります。そのため、ほとんどのBPPVの持続は1分以内です。しかし、めまいが治まった後に頭の位置を変えると半規管の向きが変わり、耳石が動きめまいが発生します。
■ディックスーホールパイク試験