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腹部超音波検査

 

腹部超音波検査とは

 

 超音波検査はエコー検査とも呼ばれ、お腹を超音波で調べることを腹部超音波検査と呼びます。高い周波数の音波を皮膚の表面に当てて、返ってくる音波(エコー)を画像化することで臓器や血管の状態を調べます。

 

 超音波検査の利点として、下記の4つが挙げられます。

  1. 痛くない
  2. レントゲンやCTのように被曝の心配がない
  3. 短時間で行える
  4. リアルタイムの画像が見られる

 超音波検査は身体への負担が少なく多くの情報が得られます。そのため、内科や外科、泌尿器科、産婦人科をはじめ、整形外科や眼科、脳神経外科などでも活用されています。

 腹部超音波検査では事前の飲食や排尿を控えて頂くことがあります。これは食事による胆のうの収縮と消化管ガスの発生を防止するためや、子宮や膀胱、前立腺などは尿が溜まっていたほうが検査しやすいためです。ただし、特別の指示(お願い)がない場合は通常の食事や排尿に支障はありません。

 

 

腹部超音波検査で分かる病気

 

 腹部超音波検査では、肝臓や腎臓、すい臓、胆のうなどの臓器や血管に異常がないかを調べることができます。

 腹部超音波検査によって分かる病気を臓器別にみると下記のようになります。

  • 肝臓:肝腫瘍、肝血管腫、脂肪肝、肝嚢胞、肝血管異常 など
  • 胆嚢:胆管結石、胆のうポリープ、胆管拡張、胆管気腫、胆管腫瘍 など
  • 膵臓:膵嚢胞、膵腫瘍、膵委縮、膵管拡張、膵石 など
  • 腎臓:腎委縮、腎孟拡張、腎血管筋脂肪種、腎結石、腎腫瘍 など

 その他にも、腹部大動脈瘤や胸水、脾嚢胞性腫瘍、リンパ節腫大などが分かります。また、条件が良ければ子宮や膀胱などの様子を観察することもできます。これらの病気の中で、がんについては腹部超音波検査のみで確定診断がつくわけではありません。通常は精密検査が必要となります。

 

肝臓
胆嚢
胆管・膵
腎臓

 

腹部超音波検査の実際

 

 腹部超音波検査は基本的に診察台に仰向けに寝て行われます。検査によっては横向きや座った状態で行われる場合もあります。また、胸部から下腹部まで観察するため腹部を十分広く出す必要があります。

 

 超音波の通りを良くして、きれいな画像を取得するために、お腹に検査用のゼリーを塗り、ジェリーの付いたプローブが使われます。超音波を出すプローブをお腹に当ててモニター画像で腹部臓器の様子を観察します。

 

 検査中は、息を吸ったり吐いたりした状態で息止めが必要な場合もあります。臓器を見やすい位置に動かしたり、肺への影響や消化管ガスの影響を少なくするためです。また、観察しやすいようにおなかをプローブで軽く押すこともあります。全体の検査時間は5分から10分程度です。