>医療法人 啓眞会 くにちか内科クリニック

スマホ用QRコード

いつもの頭痛(一次性頭痛)

 

頭痛の原因は様々です。素人判断では危険な場合があります。

まずはご相談を!

 

 

危険な頭痛と辛い頭痛

 

 頭痛(headache,cephalalgia)といっても、命が脅かされるような危険な頭痛から、そうでないものまで多種多様です。頭痛は脳に異常がない一次性頭痛と脳に異常があっておきる二次性頭痛の2つに分類されます。

 

 二次性頭痛は急におこった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、突発して短時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴うような場合はくも膜下出血などの脳出血や髄膜炎などの可能性もあり注意が必要です。また、数週間のうちに悪化してくるような場合には脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性もあります。二次性頭痛は緊急性が高く場合により命に係わる危険のある頭痛です。

 

 一次性頭痛は数年以上前から同じような頭痛を繰り返している慢性頭痛(いわゆる頭痛持ちの頭痛)で、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛がその代表です。命には別状ありませんが、日常生活に支障が出るなど困った頭痛です。

 

 日常臨床においては、「緊急性が高く」「危険な」二次性頭痛→その他の二次性頭痛→一次性頭痛→まれな一次性頭痛の順に考えます。

 

以下、一次性頭痛に関して検討します。

 

二次性頭痛に戻る

 

一次性頭痛

 

 基礎疾患のない明らかな原因が不明な頭痛を「一次性頭痛」といいます。原因が不明なら全てが一次性頭痛に分類される訳ではなく、一次性頭痛の特徴を持った頭痛で他に性説明できる原因が見当たらない場合に一次性頭痛といいます。国際頭痛学会では下記の様な細かなカテゴリーに分類されています(国際頭痛分類 第3版)。日常臨床においては片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛を区別すればよいとされています。

 

国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)

 

1.片頭痛 片頭痛へ

  • 片頭痛の発症年齢の多くは10~20代で90%は40歳までに発症する。40歳以降の初発の頭痛は片頭痛以外のことが多い。
  • 女性の方が男性より4倍多く、より重症である。
  • 痛みは片側性かつ拍動性で、発作中は仕事ができなくなるほど強い。
  • 動くと痛みは増強する。緊張性頭痛では動くと逆に軽快する。群発頭痛では痛みのためじっとしていられない。
  • 時に、頭痛に先行して視野上に点滅する光(閃輝)が見られ、その内部が暗くなる(暗点)ことがある(前兆、閃輝暗点)。
  • 随伴症状として嘔気や光過敏、音過敏がある。
  • 発作の誘因として、月経、ストレス、チョコレート、チーズ、赤ワインなどがある。

 

2.緊張性頭痛 筋緊張性頭痛へ

  • 一次性頭痛では最も多い
  • 頭痛は30分から7日続き、圧迫されるような、あるいは締め付けられるような非拍動性の頭痛。多くは両側性。
  • 頭痛の程度は軽度~中等度で、頭痛のため日常生活に支障がでることはあっても寝込んでしまうことはない

 

3.群発頭痛(三叉神経・自律神経性頭痛) 群発頭痛へ

  • 若年男性に認められることが多い重度の頭痛でしばしば20代から始まる。
  • 痛みは片側性で、目周囲~前頭部、側頭部にかけて15分~180分間持続する激しい頭が数週から数カ月の間頻繁に「群発」しておきる。
  • 頭痛発作時に根の充血や流延、鼻汁や鼻閉、縮瞳と眼瞼下垂(瞼が下がる)などの症状を伴うことが多い。
  • 頭痛発作中は落ち着かず興奮した状態になることが多く、動けなくなる片頭痛とは対照的

 

4.その他の一次性頭痛

    • 一次性咳嗽性頭痛
    • 一次性運動性頭痛
    • 性行為に伴う頭痛
    • 一次性雷鳴性頭痛
    • 寒冷刺激による頭痛
    • 頭蓋外からの圧迫による頭痛
    • 一次性穿刺様頭痛
    • 貨幣状頭痛
    • 睡眠時頭痛
    • 新規発持続性連日性頭痛(NDPH)